社説:安倍氏出馬表明 政策論議の機会増やせ(京都新聞)

情報元 : 社説:安倍氏出馬表明 政策論議の機会増やせ(京都新聞)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180827-00000008-kyt-l26
 自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)に安倍晋三首相(党総裁)が連続3選を目指し立候補を正式に表明した。石破茂元幹事長との一騎打ちとなりそうだ。
 事実上の首相選びだ。約5年半の長期政権を担当してきた安倍氏は今後3年間のしっかりした内政、外交政策を示さなくてはならない。
 森友・加計問題や財務省決裁文書改ざん問題など政権不祥事で政治不信を招いた。この総括と対策が何よりも不可欠だ。
 鹿児島県で記者団に出馬表明した安倍氏が強調したのが「新たな国造り」だ。「どう進めていくか骨太の議論をしたい」と述べ、総裁選の争点とする考えを示した。
 その一つに憲法改正があるのは言うまでもない。戦力不保持の9条2項を残したまま、自衛隊を明記する改憲に「大きな責任を持つ」と主張している。
 石破氏は9条改正の優先順位は低い、としている。
 改憲を党是ともする自民党の総裁選で主要テーマには違いない。だが、次の総裁にどんな政策を期待するか聞いた共同通信世論調査では、社会保障や医療・福祉、経済政策、少子化対策が上位に並び、改憲への関心はそう高くない。
 改憲に議論が集中し、国民生活に根差した政策課題や安倍政治の検証という重要な論点がかすんでは困る。国造り論議では幅広く政策課題をぶつけてほしい。
 「正直、公正」な政治姿勢を石破氏は対立軸に据え、首相批判を強めてきたが、安倍氏はどう答えるのか。党や政権の在り方についても徹底した議論を求めたい。
 安倍氏の鹿児島での出馬表明は地方重視の姿勢を示したものだ。国会議員票は大半を早々と固め、優位に立つ。2012年総裁選で石破氏に地方票で負けた経緯もあり、地方行脚を本格化させて地方票でも大勝を狙う戦略といえる。
 今回3選を果たせば安倍氏は首相在職期間が通算で歴代最長となることも視野に入る。
 党内では既に選挙後の内閣改造や党役員人事に関心を示す空気もある。だが、6年ぶりの本格的な政策論争の機会を単なる権力闘争の舞台にしてはならない。
 気になるのは、石破氏陣営が公開討論を求めているのに対し、安倍氏陣営は消極的という。
 「骨太の議論がしたい」との考えは両氏共通だろう。選挙中は討論会や演説会など論戦の場を増やすべきだ。開かれた論争を通じ、日本の向かうべき針路を党員だけでなく、国民に示す必要がある。
[京都新聞 2018年08月27日掲載]

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