コラム凡語:仁徳天皇陵と世界遺産(京都新聞)

情報元 : コラム凡語:仁徳天皇陵と世界遺産(京都新聞)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180717-00000013-kyt-l26
 仁徳天皇陵として有名な堺市の大山古墳の全体像を地上から見るのは難しい。「あの鍵穴形の姿は空からしか見えず古墳時代の人は見ていない」と宮内庁の調査官も指摘する▼最大の古墳をどのように造ったのか、興味は尽きない。大山古墳を含む「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」は来年夏の世界遺産登録を目指す。市民講座をのぞくと、最新技術で測量した墳丘の図面には過去の地震で崩れた傷痕がくっきり刻まれていた▼埴輪(はにわ)や土器研究により仁徳天皇が生きたとされる4世紀より遅い5世紀中頃の築造とみられる。宮内庁管理の陵墓は被葬者の比定に学問の進展を反映しておらず、国際的に理解されるか疑問だ▼宮内庁が管理してきたことで戦後の乱開発から守られ良好に保全できた面はあるだろう。研究者の限定的な陵墓立ち入りも10年前から続く。古墳はお墓であり死者を敬う気持ちは大事だ▼「仁徳陵は地域の宝として大切にされたから残ってきた」とくだんの調査官は強調する。観光地化ではなく官民が協力して保全し、伐採木を地域で活用することを訴えた点に共感した▼毎年のように登録が話題になる世界遺産だが、一過性でなく地域の宝をどう守っていくのか、住民自ら考える姿勢が欠かせない。24年前に登録された京都は模範を示せているだろうか。

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京都-京都市